Wednesday, May 13, 2009

7. 慈悲を育む - 功徳を積むためのひとつの方法 

「福」を呼ぶ(功徳を積む)ためのひとつの方法は、慈悲を持ちながら身体、言葉、心によって、善い行いをすることです。慈悲によって行われた行為は、「福」を呼び、利己的な動機で行われた行為は、「福」を失う原因となります。したがって、もし私たちの行いが、人々を幸せにしよう、人々の苦を除こうという利他的な動機から来たものならば、それは「福」を呼ぶことになります。自己中心的な動機でなしに、そのような利他的な動機を自然に持つためには、私たち自身の中に、深い優しさと慈悲がなければなりません。優しさと慈悲を育むには、巧みな方法が必要です。

瞑想によって、優しさと慈悲を育むための方法がいくつかあります。


優しさと慈悲を育む瞑想

チベット仏教では、慈悲心を育てるための瞑想法が二つあります。ここでそのうちの一つを紹介しましょう。この方法は、今生の母親に対する慈悲心を基礎にしています。自分の母親の偉大な優しさとその苦しみについて考え、母に対する慈悲の心を生じさせます。そしてその慈悲心を、他の衆生に対しても広げるのです。

仏陀は、輪廻転生は始まりも終わりもないと説きました。全ての衆生は数え切れないほど輪廻転生を繰り返しているのです。したがって、すべての衆生の其々は、過去生のどこかで自分の母親だったことがあるはずです。ですから、私たちは全ての衆生を自分の母であると考えてみるのです。そして、今生の母への慈悲を用いて、母である衆生に対する慈悲心を育むのです。


瞑想法

最初に、仏法僧に3回帰依し、四無量心*を発します。

そして、自分の母親を目の前に観想します。
自分はまだ胎児で、彼女のおなかの中にいると想像します。

妊娠中の母の苦しみと、おなかの中の自分を母がいたわってくれた事について考えます:
母の体は重くて心地が悪く、さまざまな痛みを感じる。  
おなかの中のあなたを守るために、転んだり何かにぶつかったりしないよう、ゆっくり歩いたり動き回ったりする。

あなたを出産するときは大変な痛みに耐えなければならない。
あなたが生まれたあとは、日夜あなたの世話をする。
あなたを腕に抱いて、風呂に入れ、乳をやる、等…。
あなたが病気になると、一晩中あなたの面倒を見る。

あなたのお母さんは、あなたを大切に育て、危険から守り、いろいろなことを教える。お母さんは、人生の多くの時間をあなたの世話をすることに費やした。

そして今、あなたは幸運にも仏法を聞くことができ、それはあなたを輪廻の苦しみから解放することができる。しかし、あなたのお母さんは、いまだに輪廻の苦しみの中にいる。お母さんは亡くなったら、宿業の風に吹かれ、どこに生まれ変わるかも定かではない。

このように考えたあと、母に対する慈悲を感じたら、母のために次のように祈ります;
「お母さんが、いつも幸せで穏やかでいますように。」

全ての衆生はいつかどこかであなたの母親だったのですから、他の人々に対しても、同じように祈ります。あなたに近い者から赤の他人まで、また、あなたの敵に対してさえも。そしてすべてのほかの生き物まで含めます。

例えば;
「お父さんが、いつも幸せで穏やかでいますように。」
「お兄さん/お姉さん/弟/妹が、いつも幸せで穏やかでいますように。」
「親戚の人々が、いつも幸せで穏やかでいますように。」
「私の友達が、いつも幸せで穏やかでいますように。」
「私の敵が、いつも幸せで穏やかでいますように。」
「この町の人々が、いつも幸せで穏やかでいますように。」
「この国の全ての生き物が、いつも幸せで穏やかでいますように。」
「世界中の生き物が、いつも幸せで穏やかでいますように。」
「この宇宙のすべての衆生が、いつも幸せで穏やかでいますように。」

そして、すべての衆生に対する博愛的な慈悲の心を持った状態をしばらく保ちます。その後、次のように心に思うことで、功徳をすべての衆生の解脱のために回向します:「この功徳を全ての衆生の成仏のために回向します。」このように、真摯な気持ちで回向します。

*四無量心:(Wikipediaによる解説)

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