Saturday, February 2, 2013

第17世カルマパの教え - 2.仏法とは何か?


 およそ、仏法というものは、私たちの心や人格、そして生き方を変えるためのものです。

 私たちが自分自身をポジティブに変化させるためには、教えを受ける必要があります。私たちには深い教え、適切な教えが必要です。私たちはどのように修行すればよいか知らなくてはなりません。そのような教えは、真の導師から受けるものですが、真の導師を見つけるのは容易なことではありません。真の導師を見つけたと思っても、その後そうではないと気付くこともあります。

 導師には2種類あります。十分に、そして完全に修行しており、仏法の経験が豊富な導師は、本当に頼りになりますし、そのような師には帰依することができます。そしてその他にも、教えを受けることのできる導師はいます。仏法を理解する助けとなる師です。しかし、同じように本当に頼ることや、帰依をすることはできません。しかしながら、重要なのは、それでも仏法を教えてくれる先生を、見つけることはできるということです。これらの導師は、実際の人物です。

 しかし、全ての師が人物である必要はありません。時には、すべての現われが仏法となり得るのだとよく言われます。すべてが師となり得るのです。心の訓練の教えの中では、ネガティブな出来事さえも、私たちの師となり得るのだと書かれています。

 四季を見てみると、例えば一般的な見方から言って、今は冬で、服をもっと着なければならないとか、今は夏で暑いなどど感じます。冬は暖かさが消えてゆき、植物は葉を落とすものだと、皆さんは知っていますが、さらに深く見てゆくと、すべてのものが変わり続けていることが分かります。深く見つめてゆけば、季節によって示された無常を理解することができます。そのこと自体が教えなのです。

 気をつけて見てみると、様々な、鮮やかで生きた教えを、人生そのものの中に見出すことができます。言葉のみによって教えを聞く必要はありません。なぜならば、皆さんの周りにあるもの、皆さんに見えるものの中から、それを見出すことができるからです。

 仏法を学び、理解するための、多くの異なる方法があります。それは教えを聞くことに限られるわけではありません。

写真:第17世カルマパ(右)とその師匠である第12世タイ・シトゥ・リンポチェ(左)